第1章 雄英高校入学試験
『そろそろ行ってくるね。』
「零ちゃん、気を付けてね。大丈夫だから無理せずやれるだけやってきなさい。」
座椅子から立ち上がり、おばあちゃんが玄関まで来る。
いつも通りのおばあちゃんの笑顔に無意識に強ばっていた表情がほぐれた
これ、持っていきなさい。と手に何かを渡されて見てみると手のひらサイズのお守り
『最近おばあちゃんが夜更かししてたのって、これ作ってくれてたからだったんだね』
まぁ、気付いてたの。なんて言いながら目尻が優しく下がる。
ふ、とお守りをひっくり返すと刺繍で大丈夫の文字があった。
…あ、やばい。ちょっとうるっときた。
これまでの受験勉強でも何度も支えてもらったし本当に感謝してもしきれない。
『ありがとう。試験終わったら連絡するね。行ってきます!』
「はい、いってらっしゃい。」
玄関を出て空を見ると快晴。
ここから雄英高校まではそこまで時間はかからない。
が、会場のドデカさや受験者で溢れかえるであろう電車のことを考え早めに家を出た。
「…零?」
最寄り駅で電車を待っていると後ろからかかった声に振り返る。
昔から見慣れた姿に安心する。
最近はお互いに受験勉強で忙しくなかなか姿を見る機会も減ってたからなぁ。
『鋭ちゃん、おはよう。』