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【文スト】対黒・幻

第4章 一寸混ざった、世界のお話


「ンで?何で俺ン家なんだよ!」


キレながらも酒盛りを始める三人(?)
太宰は戻ってきて早々に強制的に風呂に入れられ、バスローブで参戦している。

「良いじゃない。減るもんじゃああるまいし」

「いや、減ってンだろ。手前の消費分請求するぞ!?」

「私はダメで紬は良いんだーずるーい」

「私はきちんと等価交換をするとも」

「だってよ。手前も見習え」

「えー」

なんて談笑している。

「そう云えば君、今はなんて名だい?」

不意に太宰に向かって問い掛ける紬。


「『治』だよ、太宰『治』…………?」

「矢っ張りか」


紬は少しだけ寂しそうに呟いた。

「何、今の。名前を云った時に何か違和感が……」

「名と云うものは大切なものだよ。私達みたいな存在に気軽に名乗るものじゃあ無い」

「紬は私達の名前を知って何かする心算なの?」

「否、知りたかっただけだけど?」

「じゃあ良いよ」

「良いんだ、流石だね」

葡萄酒片手に苦笑する紬。



「昨日から思ってたんだが、手前は俺達と誰を重ねて話してるンだ?」

「……。」


不意に中也が確信を突く質問をする。


答えないか、と思ったが紬はワイングラスをコトリと置いて口を開いた。



「私は君達の妹だよーーー」



「「妹ォ!?」」


危うくワインを溢しそうになった二人を、少しだけ寂しそうに笑ってみる紬。




「名前も教えてないのに判ったと云うことは兄達は君達に転生したのだろうね」



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