第2章 調査兵団への勧誘
--------850年---------
そうして私達第104期訓練兵は
座学、対人格闘術、立体機動の訓練など
3年間にして学び、無事訓練兵卒業の日を迎えた。
私の順位は首席のミカサの次だった。
「 クソッ…ななに負けた…。」
「エレンは順位とか関係無いって言うと思ってたけどっ?」
悔しがってるエレンにフフッと苦笑いをする。
「確かにそうだな!これでやっと巨人を倒せるぜ!」
キラキラした目でエレンは言う。
私に順位なんて関係無い。きっとエレンも本心ではそうだろう。順位に入っていようが入って無かろうが調査兵団に入るつもりだった。
私は自分の意思で動くまでだ。
自由を取り戻す為、あの日常を取り戻す事が私の宿命なのだから。
解散式の次の日、私達数名の兵団は、ウォールローゼ南方の壁の上で固定砲整備をしていた。
「上官の倉庫からお肉取ってきましたよぉ〜!」
通称芋女と呼ばれているサシャがよだれを垂らしながら走って来た。
「サシャ、それって…。もしかして盗んで来たのか…!?」
コニーがギョッと焦った目でサシャを見る。
このキツイ訓練だった3年間、共に過ごした仲間達だ。皆がそれぞれ、結構な信頼関係を築けたと思う。
15歳になった今、私の人見知りも随分無くなってきた。
「領土を取り戻すと農地も増えますよ!そしたらお肉もいっぱい食べれるようになります!」
「そ、そうだよな…。よしっ!俺もその肉食う!!置いとけよな!!」
「ふふっ、置いてたらサシャに食べられちゃうよ?」
「そんな事言っていたらななの分も食べてしまいますよぉ〜?」
ニヤニヤしながらよだれを拭うサシャを見て、皆が大笑いする。
そんな楽しい会話も束の間だった。
5年前に見た光景と同じ…
超大型巨人が突如壁から顔を出したのだ。
「…!!!」
全員が言葉を失った。