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貴方の甘い残酷な愛〖進撃の巨人 リヴァイ〗

第3章 調査兵入団前夜の事件





「い、いや…そんな事は……ッ!」


鋭い目付きで顔を近付けて来た兵長に顔が熱くなるのを感じ、横を向き目を逸らす。



「その顔…てめぇから誘ってる様に見えるのは俺だけか?
学習出来ねぇ様なら身体で教えるしかねぇみたいだな。」



どんどん近付いてきている兵長に焦り、目をぎゅっと瞑り抵抗する。

もしかして、兵長も?!



「やっ!リヴァイ兵士長!落ち着いて下さいっ!!」


「………。」



少しの時間が経っても異変が無いのを不思議に思い、恐る恐る片目を開ける。


ガーゼをクルクルと器用に巻いてくれている兵長が視界に入って来る。


近くには小さな破片らしきものがトレイの中に入っていた。




私がジタバタしている間にあれを取り出したって言うの?



「い、いつの間に…?」



「お前が喚いている隙に取った。痛みも感じねぇくらいに効いた様だな。」


「…ッ!」


一気に顔が熱くなる。


「倉庫であった事はエルヴィンに報告する。お前は誰彼構わずヘコヘコ付いていくんじゃねぇ。分かったか。」



ジッと鋭い瞳に促される様に見つめられ、それに耐えきれなくなった私は俯きながら口を開いた。



「はい…情けない限りです…。すいませんでした。」



「…分かったならいい。」



手当が終わり、立ち上がった兵長はフイと扉の方に目を向け歩き出す。



ドアノブを回す手を止めた兵長は、私の方を横目で見ながら言葉を発した。




「あと、ガキに手を出す程俺は困ってねぇ。
安心して俺の班に入れ。」




バタン





まだ火照っている顔を両手で摩りながら気持ちを落ち着かせる。




完全に遊ばれた…よね?


さっきあんな事があったからって早とちりし過ぎでしょ私…。


期待してるように見えてたらどうしよう


ちゃんとお礼言ったっけ…。







混乱した頭でしばらく考えた後、私は医務室を後にした。







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