第2章 調査兵団への勧誘
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「俺は今日死ぬのか…。」
「うぅ…明日から内地だったのに……。」
様々な声が聞こえてくる中、私とエレンとミカサは早急にガスと刃を補給した。
「アルミン…?」
そんな中、アルミンの手だけが震えている。
「は、ハハッ…震えが止まらないや…。」
「…アルミン、俺達は死にに行くんじゃ無い。巨人に打ち勝ちに行くんだ。俺達は1度も負けた事なんてねえ!今日、人類は初めて巨人に勝つんだ!!」
エレンの言葉で、アルミンの震えが止まる。
「…もう…大丈夫みたいだ。」
「よしっ…行こうっ!」
後悔や責任が残る中
自分が何をしないといけないのか冷静に考え、立ち上がる。
それはこのトロスト区に入って来た巨人を
一匹残らず伐倒する事だと。
「ミカサ!」
「分かった。」
バサッ
10m級の巨人が勢いよく倒れ、蒸発を始める。
ミカサと何体もの巨人を倒していく。
ミカサは私が口を開かなくても何をしたらいいのか分かってくれている様子だった。
2人で連携して眼球、腕、アキレス腱を一気に削ぐと
回復する前にうなじを切り落とす。
1人でも余裕がある巨人は1人で倒す。
先程超大型巨人の時に感じられなかった切り応えを感じていた。
後衛部隊に居た私とミカサは隙を見て建物の屋根でガスと刃を交換した。
1人でも数え切れない程の巨人を伐倒していると思う。
「1、2、3…10体くらいか…。」
適当に視界に入る巨人を数えてもまだまだいる…。
「クソッ!巨人が大方こっちに流れて来ているッ…!前衛部隊は一体どうなってるんだ!!」
後衛部隊は最も住民に近い為、1人でも多くの精鋭が必要になる。
門を開け、トロスト区の住民が避難している今、1匹たりとも通す事は許されない。
視界の中に巨人が増える度に、前衛部隊が苦戦している事を深く物語っていた。
前衛部隊に居たエレンとアルミンが心配になる。
ミカサも同じ様に心配している様子だ。
「ミカサ、ホントはダメだって分かってるんだけど、ここを頼んでいい?エレン達の様子を見てくる!」
「…分かった。くれぐれも気を付けて。」
エレン達の無事を祈り、私は前衛部隊の居る場所へ向かった。