第2章 飲みに付き合え
「じゃあお前は今までどうやって…?」
「祖母に育てられたんです。祖母は周りに何を言われても私を助けてくれました。私にとって祖母は親と同じようなものです」
彼女は少し嬉しそうな顔をして彼女の祖母のことを話す。
「私が警察に入ろうと思ったのは私のような人を救いたいと思ったからです。そして祖母に恩返しをしたいと思いました」
祖母は私にとってかけがえのない人ですからと俺に笑いながら話す彼女のどこが感情がない人なのだろうか…。こんなにも感情が豊かだ。俺は彼女を誤解していたのかもしれない。
「俺はお前を見くびっていたよ」
お前は凄いなと俺も彼女に笑いかける。