第2章 新たな主
あれから数日。
正式な手続きが行われ、神無は審神者として本丸を仕切ることとなった。審神者名は、ユキ。
ユキは、鶴丸に単騎出陣を命じる。
鶴丸「いきなり単騎とは…君は鬼か?」
「仕方ないじゃない。資材がすっからかんなんだもの。これじゃあ鍛刀も出来ないわ。全く、政府もケチなのね。初期投資くらいしてほしいものだわ」
鶴丸「わかったわかった、行ってくるからその辺でよしてくれ」
苦笑しながらも主をなだめ、出陣の準備を整える。
出陣する直前、ユキからある物を授けられる。
「これ、持って行って」
鶴丸「これ…御守りか。よくあったな、こんな稀少なもの」
「引き出しの中から出てきたの。多分、元主さんのじゃないかな」
鶴丸「まぁ、そうだろうな。込められた神気も違うし」
「やっぱり、違いってわかるの?」
鶴丸「あぁ、まぁな」
ふぅん…と、自分から聞いておいて興味の無さげな返事をする。
鶴丸「君な…もう少し興味持ってくれよ」
「だって、そういうものなんだとしか思わないもの」
鶴丸「はぁ…まぁ、とにかく行ってくる」
「いってらっしゃい。怪我には気をつけて」
転移直前の鶴丸の目に、無表情で見送る主の姿が映った。