第3章 馴れない距離感(敬浩side )
「。。。」
ずっと無言な名無し。でも、今日は拒否することなく俺に身を任せている。
「ぐすっ。。」
「なに、泣いてんの?」
「わたし、敬浩と離れて寂しかった。でも、どうしたらいいのかわからなくて。敬浩と初めてきたここに来て考えてたの。」涙をボロボロ流しながら話し出した。
「だって、がんちゃんは優しくしてくれるのにこんなのって最低じゃない。。。だから、やっぱりダメ。」
俺は、名無しにキスをした。
名無しは、驚いたように目をパチクリしている。
「だから、ダメだって。。。」
顔を背けた名無しをギュッと抱きしめる。
「シー。またチューすんぞ。」
「人くるよ。。」
「だから、シー。」
「ずるい。。」
「てか、お前こんな時間にこんな所で一人なんて危なすぎ。」
「だって、この辺に住んでるし。。。散歩でたまにきてたの。」
「なに、引っ越し先ってこの辺なの?」
「うん。この場所に近いところが良かったから。。。」
そう言うと恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋めてきた。
「キュン!。。。っていきなりごめんな。こんなことして。都合いいけど、本心だから。俺の気持ち。お前だけはずっとそばにいてほしい。」
「本当。。。。?信じていい?」
「当たり前だろー。信用してください。これからはお前だけ見てる。ウザいくらい。」
「敬浩って、意外と嫉妬深いよね。」
「うん。俺も自分に引いてる。こんなに執着するタイプじゃないんだけどね。」
一緒に名無しの家へいき、心が離れていた時間を取り戻すかのように俺らはたくさん話をした。
「俺もここに住もうかなー。」
「え??狭いよ。無理無理。あ、隣の部屋空いてるよ?」
「はーー?意味ないでしょーが。お隣さんなんて。」