第3章 解説
「いとせめて恋しきときはぬばたまの夜の衣を返してぞ着る」
『まったくどうしようもないほど恋しく思う時は、夢の中で会えるように、夜の衣を裏返して寝てみる/小野小町/古今和歌集』
※寝る時にかける"夜の衣" を裏返しに着ると思う人に夢で逢えるというおまじないがあったようです。
「朝髪の 思ひ乱れて かくばかり 汝姉(なね)が恋ふれぞ 夢に見えける 」
『あなたが朝髪の乱れるようにこんなにも心乱れて思うからでしょう、夢にあなたの姿が見えましたよ/大伴坂上郎女/万葉集』
※小町の歌とは真逆に、想う人が夢に出るのは、相手が自分を想っているから。とも言われていました。