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「ヒヤシンス」「人言を」

第1章 初めての心


解説

「ヒヤシンス薄紫に咲きにけりはじめて心顫(ふる)ひそめし日」
『ヒヤシンスが薄紫色に咲いたなあ。初めて心が恋の感動に震えた日に/北原白秋』
※初めて。というから初恋かと思いましたが、この歌は隣家の妻、松下俊子との不倫した際の歌です。ヒヤシンスの花言葉は「嫉妬」と「悲哀」

「人言(ひとごと)を繁み言痛み(こちたみ)己が世に未だ渡らぬ朝川渡る」
『人の噂はうるさいけど、私の人生をかけ、今朝こそ、生まれて初めて夜明けの川を渡る。いざあの方の許へ。/但馬皇女/万葉集』
※但馬皇女は高市皇子と結婚していましたが、異母姉弟である穂積皇子と愛し合います。その時の歌です。
ちなみに夫である高市皇子も、異母兄妹の十市皇女と愛し合うんです。
一夫多妻制であった当時、異母兄妹(姉弟)での結婚は認められていましたが。それにしても昼ドラ顔負けだと思いました。
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