【C翼】若林くんと補習で同じ教室になった件 他【短編】
第2章 ハッピーバースデー2018
「俺に何かあるんじゃないのか? まさか言葉だけってわけじゃないよな」
ドリ子はジョンをいったん若林に返し、鞄の中を探し始めた。
ドリ子が若林の誕生日を祝うために用意したものは手紙だった。
プレゼントを渡そうと思いついたとき、何を渡せば若林が喜んでくれるのか、何を渡されると困るのか考えた。彼は裕福な家の子だ。小学生のおこずかいで買えるようなものなどは彼にとって物足りないものであろうし、お菓子を作って渡すにも好き嫌いが分からないし舌も肥えているだろう。
そもそも留学の噂があるのに形のあるものを渡しても、置いて行かれるか捨てられるに決まっている。シンプルに気持ちを伝えたい。そうして行きついた先が手紙であった。