第11章 11Qー焦心
赤司side
「それでさ、主人公が自首したときはほんと感動した。」
「俺もその場面、気に入っている。」
黒子名前。
目を見るとその人の考えが大体分かってしまう俺は、初めて黒子の目を見た時は驚いた。
感情も
過去も
未来も
全て見えない。
中学生とは思えない程の落ち着きぶり。
会話中垣間見ることのできる知識の豊富さ。
綺麗な藍色の瞳の中に、何が隠されているのか、俺はとても興味持った。
「やっぱ赤司とは本当に趣味合うね。」
「ああ。」
俺と黒子は、先週発売された桐谷葉等という作家の小説の話をしていた。
話している途中聞こえた黒子を呼ぶ声。
「名前っちー。おはようッス!」
1-C 黄瀬涼太。
良い能力を持ち合わせている上に、伸び代が見えない。
初めて見た時から思っていたが、こいつは本当に興味深い奴だ。
しかし…
やたら黒子と仲が良い。
しかも先日『黒子のことが好きだ』と本人の前で言っているのを聞いた。
俺には関係の無いことなのだが、何故かとても気になってしまう。
「俺は失礼するよ。」
又モヤモヤとした気持ちになるのが嫌で、俺はその場を離れた。
この感情は何なのか。
自分でも理解出来なかった。