第1章 1Qー水色の
少し浮かれすぎたのか、まったく後ろの席の人のことなど見えていなかった。
嫌でもわかる、本当に中学生か?と疑問をも抱けるこの落ち着いた声。
ギギギギギと音がなるロボットのように首を回すと予想通りの人物が。
「赤司征十郎だ。よろしく。」
自分でも相当顔が引きつっているのがわかる。
なんだこの威圧感は…。
首を前に向けたくても動かせない。
漫画で誠凛の降旗が赤司を見たとき足がすくんで動けないと言っていた。
私はそんなまさかと笑って読んでいたが、今なら降旗の気持ちが痛いほどわかる。
いや、でも顔はやはり幼い。
そうだ、彼はまだ13歳。中学1年生なのだ。そんな恐れることはない。それにこれは夢だし。
ようやく落ち着きを取り戻してきた私は「よろしく。」とだけ言い、首を前に向けようとすると、赤司が少し驚いたような顔で口を開いた。
「君は………。」
赤司が何かを言いかけた所で、クラスの担任と思われる人物が教室に入ってきた。