第10章 10Qー運命論者
「黒子、礼を言うのだよ。」
「どういたしまして。」
「…まだお前を認めた訳ではない。勘違いをするな。」
典型的なツンデレ…!
こんな綺麗にツンとデレを使い分ける人初めて見た…。
「まあ緑間の役に立てたならよかったよ。」
「フンッ。今度は俺がお前の練習に付き合ってあげてもいいのだよ。」
「楽しみにしてる。」
そう笑いながら言うと、私の反応が意外だったのか、緑間は少し眉を顰めた。
そしてポケットから今日のラッキーアイテムであろうキティーちゃんのぬいぐるみを取り出し左手に乗せ、何処かへ行ってしまった。
そういえば昨日のラッキーアイテムは『つけまつげ』だったな…。
昨日家に帰ってからテツヤと大爆笑したのを思い出し、また笑いそうになってしまう。
予想以上に変なやつだけど…
予想以上に良い奴かも。
中学生にしては広すぎる緑頭の背中を眺めながら、そんなことを思った。