第6章 6Qー黄色の乙女
帝光中学校生活3日目。
昨日の追いかけっこ騒動のおかげでクラスにも結構友達が出来た。
教室に入り自分の席に向かう。
赤司はもう来ていて、小説を読んでいた。
絵になるなぁ…。
周りを近づけないようなオーラ、そしてなんといってもあの赤髪。目立つ………。
「赤司おはよ。」
挨拶をして席に座る。
「おはよう、黒子。」
赤司征十郎はどんな本を読むのかと気になり、表紙を見せてくれと頼んだ。
『十三番目の人格』
Oh、なるほど…。
これは私も読んだことがある。
中々エグい小説だ。
思い出したくない過去だが、私は高校時代学校でも家でもすることがなくて、ずっと本を読んでいた。
だから普通の人よりは本に関する知識が豊富だと自負している。
「赤司らしいね。」
「黒子も読んだことがあるのか。」
少し驚いた様な顔をした赤司。
確かに中学生が読むような本ではない。
「…まぁね。」
ぼっち時代を思い出し少し心が痛んだが、その後も赤司といろいろ話すうちに予想以上に本の趣味が合ったので、その痛みは和らいだ。