第3章 3Qー始めての温もり
1-Aの教室に戻り席に着く。
後ろの赤司はまだ登校していないようだった。
「名前ちゃん!!おはよう!昨日帰っちゃうからびっくりしたよー!」
昨日と変わらぬ可愛い笑顔で話しかけてくる美祐ちゃん。
あれ…?
先ほど追っかけてきた人たちに加え、他のクラスメイトも話しかけてくる。
その大半は「昨日の黒子さんのバスケすごかったね!」というものだった。
なるほど。
あの私の“気持ち悪いバスケ”を見て褒めてくれるのか。
『黒子のバスケ』という漫画の世界の住人はどうもあたたかいらしい。