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【黒子のバスケ】幻の7人目

第17章 17Qー動き出す歯車



緑間side


青峰が名前を無理矢理連れていってしまったため、紫原と2人で帰宅する羽目になった。


バスケに関しては認めているが、普段のこいつは苦手だ。

気づけば菓子を食っているし、勉強もやれば出来るにもかかわらず本気を出そうとしない。

今もまいう棒という可笑しな色をした食べ物を食べている。


そんな奴を軽蔑の意味も含めた目で見ると、その視線に気づいたのかこちらを一瞥した紫原が思い出したように口を開いた。



「そーえばさぁ〜、さっきの荻原って人誰〜?」

「…知らん。」


先ほど名前と青峰が1on1をやる前にコートに居た人間の話題を切り出した紫原。

荻原シゲヒロという奴の口振りから名前の幼馴染、といったところだろうか。


「あの人に会ったときの名前ちんすごく変だった。」


紫原のことを他人のことなど一切気にかけることの無い人間だと踏んでいた俺は少々驚いた。

確かにあの時の名前慌てぶり、どう考えても何かあったに違いない。


「それは俺も気になったのだよ。
あいつは普段取り乱したりしないからな。」


「ね〜。」と気怠そうに言い、この話題に興味を無くしたように再び菓子を食べ出した紫原。


「それよりさぁ〜黄瀬ちんが今日のこと聞いたら発狂しそうだよねぇ〜。」

「何故だ。」

「なんでって…黄瀬ちん名前ちんにベタ惚れじゃ〜ん。」

「そうだったのか?」

「はぁ〜!?あれ見て気づかなかったの?
ミドチン実は馬鹿でしょ〜?」



確かに思い返してみれば、俺の教室で名前と勉強していたとき黄瀬が血相を変えて名前を無理矢理教室から引っ張り出したことがあった。

それからも黄瀬は俺のことを警戒したような目で見てくることは今でも続いている。



「…成る程な。」


これで何故黄瀬が名前に執着するのかという疑問が解決された。

しかし、何かに納得していない自分が居た。



「ミドチン、じゃ〜ね〜。」

「ああ。またな。」


帰宅してからも、何故自分が何かに納得していないかを考えたが、答えは導き出せなかった。


これは俺が人事を尽くしていないということなのか?


俺は、明日のラッキーアイテムはより大きい物を持っていこうと心に誓った。


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