第13章 13Qー変化した温度
「…試合、全然ダメでした。」
すっかり暗くなった空。
並んで家路を歩いていると、少し元気の無い様な声で言ったテツヤ。
やっぱ気にしてるのか。
「うん。全然動けてなかったしキョロキョロしすぎ。」
淡々とした口調で空を見上げながらそう言うと、テツヤ少し眉間に皺を寄せ、横目で私を見た。
「ハッキリ言い過ぎです。」
「ごめんごめん。
でも…、道は開けるよ。」
いかにも意味有り気にそう言うと、頭の上にハテナを沢山浮かべたテツヤ。
私の口から言うことじゃないから、これ以上は首を突っ込むつもりはない。
私はテツヤより前へ行くため少し小走りをし振り向く。
「そのうちわかるよ!」
そう少し大きな声で言うとテツヤは最初キョトンとした顔をしたが、その後ふわっと笑ってくれた。
テツヤが再び私の隣に並び、私たちはまた歩き出す。
「お腹空きました。」
「んー、今日のご飯は…
「「ハンバーグがいいな(です)」」
綺麗にハモったことに驚き顔を見合わせる私とテツヤ。
なんだかそれがおかしくて、私たちはどちらともなく笑い出した。
静かな路地に響く私たちの笑い声。
私の心はすっかりポカポカとしていた。