第13章 13Qー変化した温度
試合は 85-4 で私たちの勝利。
「お疲れ様!」
「やったな!」
「まじで凄かったぜ!」
試合終了の笛音の後、勝ったことへの喜びを分かち合う私たち。
「これも緑間と黒子のお陰だな!」
そうチームの1人が言うと、緑間は眉を顰めた。
「…11本しか打つことが出来なかったのだよ。」
「だから十分だって…。」
聞き飽きた緑間の嫌味に力の無い突っ込みを入れる。
「お前はやたらとダンクを入れすぎなのだよ。」
「かっこいいじゃん、ダンク。」
「これだから馬鹿は困る。」
「…なんだとこの緑虫。」
「お前のその小さい身体の方が虫に見えるのだよ。」
「私は虫じゃないし。」
緑間とちょっとした口喧嘩をしながらコート外に出ると、私たちのタオルを持って迎えてくれた一年生。
「黒子!お前ほんとすげー!」
「今度1on1やってくれよ!」
「ちょ、俺とも!」
「お前らぜってー負けるだろ。」
そう口々に言い笑う部員たち。
さっきまで気持ち悪がられたらどうしようと考えていた自分が馬鹿らしくなった。