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.。.:*・゚僕の瞳は真っ暗で:*・゚。:.*

第1章 firstpage...


.。.:*・゚高校1年4月:*・゚。:.*

キーンコーンカーンコーン…♪

「この方程式は…あー…じゃあ明日はこの続きな。
  はい、終わります」

「きりーつ。礼」
バタバタ…
 キュ…。
お弁当と、携帯だけを手に乗せて教室から出る。

「あーっ!!ミコト-!!あんたまた屋上でひとりで食べんのー?」

私は振り返って携帯を持った手で手を振った。
「うんっ♪ちょっとね!!お昼の授業には帰ってくるから!!」

「もぉ-そればっかじゃーん、ミコちゃん!!」
「ほっとくかぁー」

バタバタ…

「早くしなきゃっ!!」
私の名前は、雛森水琴-Mikoto Hinamori-
私が急いで屋上に向かう理由。
それは携帯の画面の中の…彼だった。

ガチャ…

ピロン♪
私は、中2の頃から、携帯で沖縄に住む、ユキ。滝井悠葵-Yuki Takii-と知り合った。
もちろん、会ったことはない。顔も…声も、聞いたことはない。
でも、彼といると、すごく楽しくて…ドキドキする。

「あっ!!悠葵いた!!良かったぁ-」
ホッとすると、顔が自然とニヤける。

寝転がって、青空を背景に携帯の画面を見つめる。
【今、お昼。弁当食ってる】
そっけないメールだけど悠葵はそーゆー性格だからどうってことない。

屋上の扉の上にまた一つ屋根がある。
そこにも登れるが空しか見えなくてグランドは見えにくいからあえて登らない。

「グランドにいる人見ながらメールすんのが楽しいんだよね-…」

ガシャン!!

私は咄嗟に飛び起きて音のするほうを見た。
そこには空の空き缶が落ちていた。
その空き缶の上を見ると、屋上の扉の上の屋根。

「誰か、いんのかな…」
私はボソッと呟いて、はしごに手を掛けた。
古る錆びたはしごは危険な感じがしたがのそのそと怯えながら登っていた。
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