第3章 hello...
「ぬあっ?!」
ゆーちゃんがいびつな声を上げて驚いた。
その驚いた相手というのはサッカー部の佐伯だった。
「佐伯…?」
佐伯は私達を見てニヤッと笑った。
佐伯は確かにモテる。でも下ネタが多くてモテ度ダウン。
佐伯はゆーちゃんの肩をがしっと掴んで私達に見せびらかした。
「俺達、付き合うことになったんだぜっ!」
「…えっ?!でも、彼氏とわかれたって…」
ゆーちゃんは珍しく頬を赤く染めてちょっと笑った。
「そーだったんだけど…その…別れた理由は佐伯に告られたからなんだよね…」
「そーだったの?!」
茜と私は顔を見合わせた。
終始顔を赤くしたゆーちゃんはチラッと視線を外して『あっ』とつぶやいた。
「小日向クンじゃん」
えっ?!
反射的に小日向君を探すと、すぐ傍にいた。
「なんで?なんで?」
慌てながら問いただすと月目にして笑ってくれた。
「佐伯と、オリエンテーションのもん買いに来たんだよ」
「オリエンテーションのもん?」
「うん。コイツ、花火だのお菓子だの持ってくんだってよ」
大きな袋に入った花火セットを見せてくれた。
「いいね!花火!しよーよ、うちらでさぁ」
茜が手を叩いて提案した。
それに乗っかるように小日向君も手を叩いた。
「いいなそれ!そーしよーぜ。決まりなぁー!」
「りょーかーい」
小日向君と…花火?!ですと?!
これはチャンスと拳を握った。
明後日が…オリエンテーション!