第3章 氷帝学園幼稚舎
Wakashi side.
「好き、かも」
言い始めはもちだった。
そんな曖昧な言い草をされては、俺にも返事の仕様がない。
(俺に、どうしろって言うんだよ)
しかも何で今なんだ?
班で話し合う時間だろ...?
そう問いかけてみると、「言いたかったから」らしい。
可愛い...。
違う違う違う!
確かに可愛いけど!一目惚れだけど!
「ねぇ日吉くん、手かして?」
こいつは全部が急で、ぶっ飛んでやがる。
「今は授業中だ。休み時間になってからにしろ。」
何をするつもりか、俺には全く想像もつかないが、にこにこしているもちの顔(いつもにこにこしているが、今はもっとにこにこしている)を見ると、悪い事では無さそうだ。
休み時間、言われた通り手を出してみる。
「違う、左手だよ。左手。」