第2章 I'm addicted to you
時刻は7時40分。起床時間はとっくに過ぎている。
もちの頭に″遅刻″の2文字が過る。
「わかっ...!(違う、今日は休み‼)」
3月21日水曜日、春分の日。
部活も学校も完璧な休みだ。
「きゃっ!?」
もちの膝の前辺りで寝ていた若がいつの間にか背後に回り込み、もちに抱きついた。
そっと振り向いたもちに若は軽くキスを落とした。
「呼んだか」
若は優しく問うた。
「起こしちゃって...ゴメン...。」
「起こされてはいないから大丈夫だ。」
若の言った事がよく分からず、もちは首を傾げる。
超天然なもちは
(多分若も寝惚けてるんだよね。)
そう思っている。
「起きていた。」
「えっ...いつからっ!?」
驚きのあまり声が少し大きくなった。もちは自分の行動を振り返り、我に帰る。
髪を撫でたり、頬をぷにぷにしてみたり、鼻や瞼にキスをしたり...。
もちの顔は真っ赤だ。それに比べて若の顔はほんのり赤い位だった。
「髪を撫でられた辺りからだ。」
(うそ、全部バレてる...)
「嫌だった?」
もちは俯きがちに小さな声で問う。