第15章 Aigokeros
「あー!!どこにいってたんだよ!」
「お前が走ってたんだろうが!?」
「陽葵着替えてる!!
可愛いなその格好♪」
お昼になり木兎がお腹を空かせて
やって来るだろうとフードコートに
足を踏み入れると慌ただしく駆け寄ってきた
「木兎さんなに食べますか?」
「旨いもんっ!?」
「具体的な名前言えよなッ!」
「肉ッ!!!」
『じゃあアレは?』
「ステーキか
陽葵は良いのか?」
『うん。お肉ってグラム売りなの?』
「そうですよ
200gからですね」
「俺400っ!!」
「俺は300でいいわ」
『私は200かな?』
「では注文してきますので
席に座っていて下さい
行きますよ木兎さん」
「おう!にくにく~♪」
だだだっと走りだそうとする木兎の
襟首を赤葦が掴み
店内で走らないで下さいと
叱りつけていた
「赤葦の方が年上みたいだな」
『木兎は長男気質の末っ子だね』
案内されたボックス席に座わり
焼きたてのステーキを堪能した
「テメエ木兎!!
足りねえなら追加して来いッ!!」
「えー!!焼けるまで時間がかかるじゃん」
木兎はあっという間の400gのお肉を平らげ
鉄朗からお肉を横取りしていた
『私そんなに食べないから
これ良かったらどうぞ?』
「やり~♪」
「待て待て!
木兎は俺の喰え
陽葵のは俺が喰う」
これはこれで揉めるのね・・・
ぎゃいぎゃい騒ぐ2人に我関せずで
もくもくと食事をする赤葦
割と小食なのか私と同じ
200gのお肉を食べていた
食事も終え4人で店内をぶらぶら見て回り
最後に研磨にアップルパイのお土産を買い
木兎と赤葦と別れた
「研磨~生きてるか~」
「クロなに言ってんの?
邪魔だから帰って」
『お土産買ってきたよ
研磨の好きなアップルパイ♪
みんなで食べよ?』
「いらっしゃい陽葵」
「こらこらこら!
俺も入れろっ」
鉄朗を閉め出そうとした研磨だったが
失敗しずかずかと2階に上がっていった
キッチンでアップルパイを切り分け
紅茶を入れて研磨の部屋に持っていった
『鉄朗、研磨
メリークリスマスッ!!』