第10章 Pisces
赤葦に手伝ってもらって
作った料理をテーブルに並べていると
「旨そう~っ!!」
『コラッ!!』
ペシッと木兎の手を叩きつまみ食いを阻止した
「えぇ~」
『食べたいんだったら配膳・・・・
嫌、やっぱいい
何もしないで大人しく座ってて』
さっきの二の舞にはなりたくない
研磨は相変わらずソファーに座ってゲームをしていた
「まだ食っちゃダメなのか?」
『だ~め
そう言えば鉄朗は?』
「ああ、あかあーしの部屋行ったぞ!!」
「・・・・呼んできます」
『い、いってらっしゃい』
2階に上がって行く赤葦
数分後に鉄朗の雄叫びが聞こえてきた
「「いただきまーす!」」
「いただきます」
『研磨もゲーム止めて食べよう』
「・・・・うん」
うめ~♪と言ってバクバク食べる木兎
「木兎テメェー!
人のもん取るんじゃねぇ!!」
「早いもん勝ちだっ!」
「うるさ・・・・」
「静かに食べれないんですか?」
『木兎、鉄朗
これ以上騒ぐなら追い出すよ?』
「「スミマセン」」
研磨は小食であんまり沢山は食べなかったが
赤葦と木兎と鉄朗のおかげで作った料理は間食した
『デザートにアップルパイ作ったの
研磨好きでしょ?』
「・・・・・うん。好き」
「あっ!ずりぃーぞ孤爪
俺の好きだぞっ!!」
「俺も好き~」
『?2人とも甘いもの好きだった?』
不思議に思って小首を傾げて聞いていると
「俺はアップルパイよりも
陽葵さんが好きですよ」
「「はあっ!!」」
抜け駆け禁止っ!と木兎と鉄朗が赤葦に食って掛かる
「ねえ陽葵
早くアップルパイちょーだい」
『ああ、ゴメン』
キッチンに入ってアップルパイを切り分ける
待ちきれないのか後ろから手が伸びてきた
「・・・・・美味しい」
八等分したアップルパイの半分は
研磨の胃袋へと消えていった