第10章 Pisces
研磨と赤葦は無事に高校に合格した
春からは二人も晴れて高校生だ
「「『卒業おめでとう!!』」」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
3月に入って中学を卒業した研磨と赤葦
木兎の提案でパーティーをすることになった
「木兎さん」
「ん~?どうしたあかあーし」
「祝ってくれるのは嬉しいのですが
なぜ俺の家なんですか?」
春休みに入って部活が休みのある日
鉄朗と木兎と研磨の4人で赤葦の家に押し掛けた
「孤爪は嫌だって言うから
じゃあ赤葦の家だなっ!
ってことになった!!」
「研磨は他人を家に入れるの嫌がるからなぁ~」
「そー言うわけだっ!!」
「そんな胸を張って言われましても・・・・・」
『赤葦~キッチン借りるよ~』
持ってきていた材料を手にキッチンに入った
「陽葵さん
俺も何がどこにあるか
把握して無いのですが
大丈夫ですか?」
『うん。大丈夫
あらかじめ赤葦のお母さんに
必要な物出しといてもらったから』
「・・・・・いつ母と話したんですか?」
『ふふっ内緒♪』
赤葦の母はメイクアップアーティスト
モデルの仕事でメイクを担当してくれたことがある
木兎のところは知らないけど
赤葦のとこといい鉄朗や研磨のところも
お偉いさんや会社経営って凄くない!
そんなことを考えながら料理を始めた
「手伝いましょうか?」
『ダメダメッ!
赤葦は主役なんだから
研磨みたいに座って待ってて』
リビングにいる研磨を指差す
騒ぐ木兎と物色する鉄朗に背を向け
スマホゲームに没頭している
「分かりました」
赤葦がキッチンから出ていき
うでまくりをして料理を始めたが
リビングから赤葦の声が聞こえてくる
「木兎さん静かにしてください近所迷惑です
黒尾さん勝手に引き出し開けないでください」
『はぁ・・・全くなにやってんの
鉄朗ーっ木兎ーっこっち手伝って!』
「「へーい」」