第9章 Capricornus
牛島と天童のお陰で騒ぎが収まった店内
夏にはお詫びを込めてパフェを追加で頼んだ
「なあなあ、及川と同じ
青葉城西に通ってんの?」
「おねえちゃんはとうきょうのがっこうだよ」
「東京?」
「及川は振られたってこと?
アッハッハサイコーだね♪」
「及川なんて最初っから
眼中に無いよね陽葵」
『徹もハジメも友達だよ』
「東京のどこの高校だ?」
『音駒高校だけどなに?』
「音駒・・・」
「なになに若利君
陽葵ちゃんに興味もったの?」
「いや、わざわざ行くほどの
高校があるのかと思っただけだ」
天童の言葉に顔色一つ変えずに返事を返す牛島
そんな時夏のごちそうさま~と言う声が聞こえてきた
「おねえちゃんかえろう」
『そうだね
チキンとケーキ買って帰ろうか
葵はこの後どうするの?』
「大翔と待ち合わせしてるの
あぁ・・・大翔より陽葵と居たい・・・」
『そんなこと言ったら
小嶋君泣いちゃうよ?』
「うん。泣くかもね」
ふふっと二人で笑いあい
牛島と天童の再度お礼を言って席をたった
「ああ」
「待ったね~陽葵ちゃん♪」
店を出てまた電話するねと
言って葵とも別れて夏と一緒に
チキンとケーキを買って家に帰る
玄関の扉を開くと翔陽が出迎えてくれた
「おにいちゃんただいまーっ!」
「お帰り夏、陽葵姉!!」
『ただいま翔陽
はい。チキンとケーキ買ってきたよ』
「おおーっ!やったぁ~」
夏を抱き上げクルクル回る翔陽
キャキャと楽しそうにハシャグ夏
久しぶりの我が家は相変わらず賑やかだった