第5章 Taurus
「ぶひゃひゃひゃひゃ」
『そんなに笑わなくてもいいでしょ!?』
「陽葵ちゃんは映画が怖くて
泣いてたんですか~?」
『うぅ~』
半泣きで泣きついた理由を聞いて爆笑する鉄朗
「怖いんだったら
俺が一緒に寝てあげましょうか?」
『本当!ありがとうっ』
頭を撫でながらニヤニヤと笑っていた鉄朗だったが
予想外の反応にえっ?と一瞬固まった
「ま、マジですか?
本気で俺と一緒に寝る気ですか??」
『えっ?ダメなの?』
「いやいやいや!
俺的には棚から牡丹餅的な展開
ウェルカムですよ?」
『じゃあほら早く布団に入って
一緒に寝よ?』
「ハイハイ」
布団を捲って手招きする陽葵に返事をして
鉄朗はパチンッと電気を消しいそいそと
陽葵の布団に滑り込んだ
暗くなった室内に少し怖くて
鉄朗の服をキュッと握る
すると鉄朗は背中に腕を回して抱き締めてくれた
「大丈夫だ。おやすみ」
『うん。おやすみなさい』
鉄朗の胸に顔を寄せ瞳を閉じた
「はぁ~・・・・・
こうも安心して寝られると
手ェ出せねえな」
腕の中ですやすや眠る陽葵をみて
大きな溜息を吐きながら顔にかかった髪を横に流した
「んっ??」
微かな月明かりに照らされた室内
暗闇に慣れた瞳が陽葵の
首筋にあるキスマークに気づいた
「木兎の野郎
次あったら締める!!」