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夢繰り屋 凛 第四章

第6章 靴箱の出来事。


…予鈴が鳴った。
浩二君に深々とお辞儀をしていた私は
チャイムの音で我に返った。

靴箱には、数人しかいない…
そんな彼らも、急いで教室へと
走って行く。

なんだか急に恥ずかしくなってきて、
顔も上げれず、浩二君に話しかけた。

「見てたんでしょ?最初は、真剣にやってく
 つもりもなかったし、勝手に『夢繰り屋』なんて
 同好会まで作って、迷惑やなって思った事もあった。」

「せやけど、浩二君がいなかったら、
 私の能力も、ただの変な能力で終わってた。
 皆、こんな私に、ありがとうって…
 感謝してくれる。」

「でも、私は、浩二君に感謝してるよ。
 誰かの役に立てる私にしてくれて、
 …ありがとう。」

顔を上げるタイミングを完全に失ってしまった私は、
次、どうすればいいか分からずに
固まってしまっていた。




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