• テキストサイズ

黒ノ翼

第2章 華守


「フォルシティア島?」
「そう、そこの周辺海峡と島はなんて呼ばれてるか知ってる?」

コアラが大きな本を抱えてサボに尋ねる
サボは分からないような顔をして考え込んだ

「女神アルテミスが唄う島」
「女神...?」
「なんでも、近くを通ると唄声が聴こえるらしいよ、そんで、島に辿り着いても唄が惑わせて難破するらしい」

コアラは意味深げに本を開いた
その厚い本には文字よりも絵の方が多い

「これこれ」
「へぇ、んで、ここに行けってか」
「怖い?」
「怖くはないが...何故ここに行くんだ?」

そんな危険な海域に、島に行くというのだ
よほど大切な用事があるのだろう

「ロビンさんが、そこに行きたいんだって」
「ニコ・ロビンが...?」
「...えぇ、そこにはリオポーネグリフがあるのよ」

部屋のドアから顔を見せたロビン
その顔は不敵に笑っている

「私を護衛してくれるかしら?」
「ドラゴンさんは許可を出してくれたよ」
「...分かったが、注意してくれよ。変な噂が立つ海域なんて危険なものとした方がいい」














女神アルテミスが唄う島......



「アルテミス...疫病を運ぶ処女女神...」

サボは出航するまでに、調べようとしていた
なにかがひっかかる
その名前...その、女神は...

「なんだ...俺の記憶はまだ完全じゃないような...」

思い出せない
アルテミス...女神なんかがこの世に存在はしない
けれど、知っているはずだ

“愛を知らない人は、知るまで死ねない”

“私の名前を思い出さないまま...生きなさい”

「誰だ...?」






















隠された記憶は、何も語りかけはしなかった
/ 8ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp