第5章 少女の決意
それからの訓練はまるで地獄だった。
早朝5時から私の訓練は始まる。
けれど、誰かが教えてくれるわけじゃない。
自分で考えたメニューをただ淡々とこなしていた。
正直、もう無理だ。
とかもうやめようとかそんなことは不思議と思わなかった。
あの日のことが昨日のことのように鮮明に思い出せる。そのせいかもしれない。
私はもう何も失いたくない。
自分の力を過信しない。
そして、こんな山の中だ。
だれも気やしなかった。
ここはウォールシーナの山奥で、巨人とは運良く未だ遭遇していない。
念のため立体起動装置はつけたまま訓練をしていた。
ご飯は1日1回。
それは木のみだったり魚だったりする。
本当なら三度取るべきなのだろうがそのたべるあいだの時間が惜しかった。
「……そういえば返信ないな」
腹筋をしながら、梟を見れば不思議そうに私を見つめていた。
確かに送ったあの手紙は間違いなどなければ 兵長の元へ届いているはずなのだ。
「ー…あんた。よく見ると無愛想な面が兵長に似てる」
首を傾ける梟にニヤリと口角を上げればほう、と何処からかともなく声が聞こえた。
「俺はそんなに無愛想か。まぁ面白くもねぇのに笑えねえからな。俺のツボはそう浅くない」
「!!」
「…よう。相変わらずクソ堪えまくってるような顔しやがって」
その声は間違いなどなく兵長だった。
振り向けば無愛想な顔でこちらを一瞥し両腕をだるそうに組む兵長の姿が確かにそこにあった。