第4章 忌まわしき壁と記憶
調査兵団を辞めた私は次に配属される先を選ぶことを躊躇っていた。
私がどこに行ったところで役に立つのか。
誰かの足枷になるのではないのかと。
そう、思っていた。
それも、家に一度帰省して頭を冷やしてから考えようと考えていた。
家に戻るのは…四年ぶりだった。
……
……
……
「おねえちゃん!!!」
「わっ、」
勢いよく抱きついてきた妹によしよし、と背中をぽん、と叩きながら少しよろけた足をきちんと地につけて久しぶり、と笑った。
久しぶりに笑った気がした。
「お姉ちゃんと連絡ここんところ急に取れなくなったと思ったら急に家に帰るからって連絡くるんだもん。私びっくりしちゃったよ」
「あー、…それはごめん」
「ううん、お姉ちゃんも沢山いろんな事があったんだよね大丈夫。」
紅茶でいい?ともう既に湯を沸かしながら聞いてくるカーラにうん、と言えばよし、と準備を始める。
久しぶりに帰ってきた家はちっとも変わってなかった。
歩くたびに少し軋む家も家のすぐ近くの教会も。何も変わっちゃいない。
「あの人たちは?」
そういえば見当たらない。
しん、と静まり帰った家にカーラの顔がわかりやすく沈んだのを感じた。
「……もういないの、お姉ちゃん」
「え……?」
「もう、帰ってこないの」