第4章 忌まわしき壁と記憶
「……ごめん、今は何も言えない。
何にも答えられない。…ごめん」
何にも答えられない。
これは、嘘じゃなかった。
だから、その私の言葉にオルオはそうか、とだけ言ってゆっくりと肩を掴む力を弱め、私の肩を掴む手を離した。
「手紙…書いてね!!私たちも書くから!!」
「絶対に書いてよ!」
「……………………………うん……、」
ペトラとサラが背を向けて歩いていく私に声を張り上げて叫んでいた。
後ろを振り向くことのないまま私は兵舎を出ようとしていた。
……
……
あの人に呼び止められるまでは。