第3章 弱さと強さは紙一重
「マリア…_お前…」
「もう……いやだ……いやだ」
「マリア……?」
足に力を入れた。必死に動け、動けと指示をした。足をくじいたくらいでなんだというのだ。まだ動ける。
まだ、私は戦える。
「…アアアアア…ァ、」
こちらを見定める巨人が私たちを捉えている。私は刃を抜いた。
殺してやる。
こいつを。
殺して、削いで削いで削いで削いでやる。
「はぁぁぁ!!」
ザァァン、
削いだ。
なんども。
なんども。
角度を変えて。
場所を変えて。
もう動けなくなるくらい。
もう誰も襲えないくらい。削いだ。
そこから、どうしていたかわからない。
ただ、やっとエルヴィン団長が戻ってきてリヴァイ兵長もやってきた頃にはそこは血の海だった。
ただ、返り血を顔で浴びた私がそこに立って
いた。なんの感情も映さない私の瞳はエルヴィン団長にこういった。
「…辞めさせてください」
そう、たしかにいった。
もう私は巨人を見たくなかった。
自分の使命も。
自分の役割もどうでもよかった。
全て投げ捨てたかった。
私は誰かに守られているばかりでなにも守れていなかった。
私は弱い。
とても、弱かったのだ。
そして、仲間の安全より作戦を優先させるエルヴィン団長についていけなかった。
私は密かに団長に失望していた。