第2章 複数の選択肢
懐かしい夢を見た。
何もかもが真っ白で何もかもが新鮮で。
何もかもがわたしには眩しかった。
そんなあの頃。
けれどそんな真っ白だった世界は外に触れ
ると意図も簡単に真っ赤に染まっていった。
そんな、夢。
……
「おい、…いつまでそう突っ立ってんだ」
「…」
「お前に意思はねえのか。」
「面白いこと…聞くんですね。」
「巨人を殺すのに私の意思など関係ありません
一瞬でも生まれたその情は戦場では無意味を意味し死を意味する。それは、一番わかっているのにお聞きになるんですね。」
「信頼に足る仲間を信じても」
「自分を信じても」
「結果は誰にもわからない、でしたっけ。」
「それなら、私は自分を信じ続けます。いつか大事な選択を迫られた時仲間さえも見殺しにする覚悟が必要な時が出てくる。
その時私はその勇気が欲しいんです。」
「………お前、そんなことできる玉じゃねえだろうが。」
「できますよ、もうこれからするんです」
「……そうか」
仲間が死んだ。
何人も。
同じ訓練兵として志した仲間が沢山死んだ。
目の前で。
無惨に酷く引きちぎられたり飲み込まれたりいろんな形で。
私はただ、それがやけにスローモーションに見えて無我夢中で立体起動に移り思いっきり奴らの急所を削いで、削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いで削いだ。
けれど、やっと、救援の援護が駆けつけた時にはそこ一帯血の海で肉塊として転がる幾つもの死体と私一人だけがそこに立っていた。
私は、弱い。
ただ、泣いて泣いて泣いた。
子供みたいに馬鹿みたいに声を上げて馬鹿みたいに嫌だと叫んで何でと叫んだ。
そんな私の言葉に返ってくる言葉なんてなかった。
ううん。今ならわかる。
きっと、誰もなにも言えなかったんだ。
なにが正しいのかなんてわからなかった。
壁の外に出れば死ぬなんてわかりきって戦っている。けれどそんな、覚悟わたしにはまだ
出来ていなかった。