第15章 僕達洛山高校男バス部!! ~洛山~
その災難は葉山小太郎のこんな不用意な一言から始まった。
「ねぇねぇ、赤司とってさ、やっぱ付き合ってんの?」
おいヤメロ小太郎マジヤメロ。
好奇心丸出しでにそんな事を尋ねた葉山に、実渕玲央は思わず脳内で男言葉に戻ってしまう位動揺した。
それでも何とか普段通りの声色を出すことに成功したのは彼なりの矜持だろうか。
「ばっ、ちょっと小太郎、そんなの聞いちゃあダメよ」
「そういやあ赤司とって部活以外でもいっつも一緒に居るよな」
「ちょっと永吉、アンタマジ空気読みなさいよ!!」
このお子ちゃまと筋肉達磨め!!実渕はそんな思いを込めながら話に加わって来た根武谷永吉を叱り飛ばした。
ちなみに赤司とは付き合っていない。
寮住まいの赤司が毎朝を彼女の住むマンションまで迎えに行き一緒に登校。
朝練をこなす赤司の傍らでマネージャー業に勤しむ。
同じクラスで席も隣の為着替えたら一緒に教室へ。
の友人(自称)が赤司に声を掛ける事もあるが、恋情を持って近付く女子に赤司が笑顔を向ける事は決して無い。
絶対零度の眼差しを向け、ふいっとその場を立ち去るのみだ。その行動に肩を竦めるも、すぐに何事も無かったように赤司の後を追い横に並ぶ。
赤司もが必ず自分の方へ来ると分かっているようで"行くぞ"とも言わなければ、振り返りすらしない。
何だその以心伝心は。