第12章 俺たち海常男バス部!!~海常~
『え?だってバスケの事を話す皆さんキラキラしてて格好いいですもん。生き生きしてると言うか、何か可愛いのに格好いいと言うか。それ見たのに帰っちゃうなんて、女の子達勿体ない事してるなーって思って。男の人が好きな物について語るのってイイと思うんですけどね。それが気になる人とかだったら尚更…って、え、皆さん!?』
机の上のメモの山に目を通しながら本日の合コンでの男共の失敗原因を察したらしいがそう続ける。
しかし不自然な沈黙を不思議に思い顔を上げると、そこには嬉しさのあまり顔を赤くしたレギュラーの面々と、ワナワナ震える中村(兄)の姿。
「、お前まさかレギュラーの中にきっ、気になる奴が居るのかそうなのか!?言っとくけど俺が認める奴しか許さないからな!?」
『っちょ、お兄ちゃん!?』
黄瀬はシャラってるから論外、早川もウルセーし暑苦しいから却下、森山先輩は運命論者のナンパ野郎だからあり得ない、笠松先輩はOKと言いたいが女性が苦手という点でいらん苦労しそうだから無し、小堀先輩は紳士だからギリギリOK…いやでもちょっと頼りないからやっぱりダメだ!!
「…とりあえずストバス行って、フォーメーション試すか」
「あぁ、冬にリベンジしないとな」
「俺らの夏、バスケに捧げるとするか」
さっきまでの飄々とした姿はどこへやら、中々失礼なシスコン的マシンガントークを繰り広げる中村(兄)と真っ赤になってそれを止めようとする。
横で"シャラってるってなんッスか!?""なかむ(ら)ぁっ、オ(レ)達友だちだ(ろ)ヒデェよ!!"とこれまた照れ隠しに反論をぶつけている黄瀬と早川。
そんな後輩達を見ながら、3年生3人はお互い赤くなった顔には触れずに話すのだった。
ーどうやら俺らの夏は、まだまだ始まったばかりらしい。
fin
→あとがき