第5章 覇王樹に寄せる想い ~笠松幸男~
WCが終わったら、気持ちだけは伝えようとは思ってはいる。だって大学生になったら絶対もっとモテるし女の子だって綺麗な人も沢山居る。きっとゆきくんもバスケ以外を見るようになったらすぐに好きな人が出来てしまうだろうし、成就もあっという間だろう。それを黙って見ているのは嫌だ。
だけど今はまだこのままで居させて欲しい、なんて。
ーまさか新年を迎える頃に関係が劇的に変わっているだなんて思いもしなかった、高校1年の春のある1日の出来事。
(おい黄瀬ェ!お前勝手に誠凛に偵察いきやがってシバくぞ!に要らんこと言って無いだろうな!?)
(センパイがWC終わったら告白しようとしてる、とかッスか?)
(ッテメ、何でそれを、)
(センパイには負けないッスよ)
(!黄瀬テメェ・・・舐めんなよ、どれだけの間好きだと思ってんだ負けねぇよ!!)
(相手に取って不足なし、ッスね)
fin
→あとがき