第14章 新たな目的
今日は農作業の途中で、近くを「調査兵団」が通った。
自由の翼のマークが背中に描かれていた。
『自由の・・・翼。』
ユナは服の上から胸元のペンダントに触れた。
リヴァイからもらった羽のモチーフのペンダントは、自由の翼のマークの羽に似ていた。
(私も・・・自由になれたらな)
何もかもから自由になれたら、大好きな人達のところへ、鳥のように飛んで行きたいとユナは思った。
調査兵団が通り過ぎた後で、労働者の数人が話している。
「調査兵団は壁の外へ巨人を殺しに行くんだろ?しかし、毎回兵士がたくさん死んでいく。無意味なことに思えるよなぁ。」
「そうだ。俺達が働いても働いても税金を無駄使いしやがる。困ったもんだぜ。」
「そう言や、新しいエルヴィン団長になって、やり方も変わったと聞いたぞ。それに就任した兵士長がめっぽう強いらしい!なんでも、1人で兵士400人分の戦力だとか・・・。名前はリヴァイだ。リヴァイ兵士長。」
(・・・・?リヴァイ、兵士、長?)
ユナは「リヴァイ」の名前に反応した。
『あ、あの!そのリヴァイ、兵士長って、どんな人ですか?』
「は?なんだよ、お前?・・・よく知らんが、確か目付きが悪くて怖いらしい。だが、巨人数体を相手にすごい動きをするそうだぜ。人間技じゃねーみたいな。」
(・・・リヴァイだ・・・それはきっと、リヴァイだ)
ユナはなぜか確信していた。
(でも、どうして調査兵団に?)
疑問はたくさん浮かんだが、ユナは思った。
(私、調査兵団に行きたい・・・リヴァイに会うために・・・)
ユナは、そう決意したのだった。