第14章 新たな目的
荒れ果てた土地が広がる。
ここに来てから、毎日たくさん転がっている木の枝や小石を拾い、少しずつ、少しずつ、耕していく。
耕した土地には、「うね」を作り、作物の苗を植えていく。
手足は常に泥まみれ。
全身ホコリやチリにまみれていた。
朝起きてから、日が暮れるまで働いた。
ユナは、ただ、ただ、これまでの自分の行いを「償う」ために、一心不乱に働いていた。
(・・・・・・喉、かわいたな、)
空には太陽の強い日射しが降り注ぐ中、首筋には汗がつたい、ユナは苗を植えていく。
『ふぅ、』
ここの畑の苗はすべて植えた。
次の畑へ移動する。
ユナの前には、歳が同じくらいの女子が息を切らしてふらつきながら歩いていた。
彼女も同じ持ち場のはずだった。
しかし彼女は、今にも倒れそうになっている。
『・・・あの、大丈夫?』
ユナが声を掛けると、彼女は振り向きざまにそのまま倒れてしまった。
『っ!ちょっと、しっかりして!』
すぐさま駆け寄り、彼女を支え起こすユナ。
しかし、倒れた彼女は呼吸が荒く、顔も真っ赤で汗を多量にかいていた。
(・・・日射病?・・それか脱水かも)
ユナは日陰に彼女を運び、自分の分の飲み水を持って来た。
『ねえ、しっかりして!水!飲んで!!』
水袋を口元に差し出す。
「・・・水、水!!」
かろうじて意識を戻した彼女は、ユナの手から水袋を取り、一気に飲み干した。
「はぁっはぁ、はぁ、はぁ・・・・、あ、ありがとう。た、助かった・・・。」
まだ呼吸の整っていない彼女は、息も絶え絶えにユナに礼を述べる。
『大丈夫?・・・少しここで休んでいるといいよ。』
ユナはそう言い、その場をあとにする。
次の畑に行き、作業を始める。
その後、先程の彼女の分の畑もきれいに耕して苗を植えるだけにする。
『・・・いいよね、これくらい。』
ユナは額の汗を腕で拭い、今日の分の仕事を終えた。
宿舎へ戻る途中、先程の場所に倒れた彼女はいなかった。
(誰か運んでくれたのかな?)
それだけ思って、ユナは着替えに部屋に向かう。
部屋は共同で使う大部屋だ。
カーテンで仕切られた2段のベッドが並び、ユナは手前側の上の段だ。