第13章 罪
タイラー家にユナが養女となり、1年が過ぎた。
ユナは作法など一通りを身につけて、貴族達社交界の集まりにも、クライスと共に足を運ぶようになっていた。
「やぁ、クライス。今日はユナも一緒だね。会えて嬉しいよ。」
『ごきげんよう、ワーグナーさん。私もお会いできてとても嬉しいです!』
ユナが来ると、数人の男性はダンスに誘う機会をうかがってそわそわし始める。
しばらくして、
会場の端でこっそり休憩をしていたユナに、1人の青年が近づいた。
「こんばんは。ユナ・タイラー嬢。私とお話いたしませんか?」
『・・・ごめんなさい。嬉しいのですが、そろそろ父の所へ戻らねばならないので失礼させていただきます。』
ユナは笑顔でその場を立ち去ろうとした。
青年はユナの腕をつかみ、カーテンの後ろに2人を隠す。
『な、何を・・・。はなしてください。人を呼びますよ。』
ユナは毅然と青年を見据えて言う。
「・・・人など呼ばずとも、俺を蹴り飛ばすくらい出来るはずですよね?地下街から来たお姫様?」
『・・・!?』
青年はユナに顔を寄せて、耳元で笑うように囁く。
「そう怖い顔をしないでよ。ちょっと、俺に付き合ってくれたらいいんだけど・・・。」
と、ユナの手を引き、奥のドアを開けて廊下へ出る。
「ここ、俺の屋敷だから。」
青年はユナを歩いた先の部屋に促す。
入った部屋は豪華な造りの部屋で、ここが彼の部屋だとわかる。
『きゃっ!』
ドサッとユナをベッドに押し倒す。
体の上に覆い被されて、手首をつかまれ抵抗できない。
『何するの?はなして!』
ユナは振りほどこうとした。
「いいの?抵抗して俺に怪我でもさせたら、お父さん言われるよ?地下のうす汚い狂暴な娘を連れて歩いてるって。」
ピクッと、ユナは抵抗を止めた。
「そうそう、賢いなぁ。じゃあ、そのまま・・・俺に従うんだよ・・・」
青年はユナのドレスを肩から脱がせ、あらわになっていく肌に舌を這わせた。
『・・・やっ!』
(ヤダ、ヤダ、ヤダ・・・!助けて!・・・リヴァイ・・・)