第11章 離れる心
(私、どうなるの?リヴァイは私を養女にって言うけど、私が養女になったら、私はここにいられなくなるのに・・・会えなくなるのに・・・)
『・・・リヴァイは・・・私がいなくても、いいの?』
どうにか声を振り絞り、言葉にするユナ。
リヴァイは、目を閉じて「はぁ、」と息を吐くと、
「あぁ、俺は・・・お前がいなくても生きていける。だが、何よりも今回はお前の幸せが重要なんだ。このままここにいても、お前は病に苦しめられる。地上でちゃんとした医療を受けろ!お前のためなんだ!」
と、いつの間にかユナの両肩をつかんで真剣な表情でまくし立てる。
そんなリヴァイを見て、ファーランは唇を噛みしめた。
(リヴァイ・・・本当は、ユナのことを手放したくないんだ・・・けど、ユナの病気のこととか考えて・・・)
ユナは、まさかリヴァイが自分を養女に出すことを本当に望んでいるなんて、思いたくなかった。
『リヴァイ・・・。私の幸せは、ここにいることだよ。私の幸せは、リヴァイと、ファーランと一緒にいることなの。地上に行ったとして、あなたがいないと意味がないの!病気だって、私はうまく付き合っていくし、これからはもっとちゃんと気をつけるから、だから・・・。傍に、傍にいさせて・・・。お願い、リヴァイ・・・。私の幸せを、勝手に決めないで!』
手で次々とこぼれ落ちる涙を拭いながら、ユナは必死に言葉をつむぐ。
(お願い、私がいなくてもいいなんて・・・言わないで・・・)
『お願い。リヴァイ・・・、お願い、します・・・。』
ユナはしゃがみ込んでしまった。
「ユナ・・・。」
ファーランは、そんなユナに駆け寄り、震える背中をさする。
「・・・これは、決定だ。お前のことは、ここに来た時にすべてケニーに任されている。俺が決める。」
リヴァイはそう言って俯き、部屋に戻って行った。
残されたユナは、涙で視界は歪み、悲しみに暮れていた。
まるで、捨てられた子どものように。
ファーランは、リヴァイの想いもユナの気持ちも、どちらの苦しみも痛いほど感じていた。
「ユナ・・・。」