第8章 年頃
ファーランside
リヴァイは最近、「色気がある」と仲間内で話題になっている。
元々、顔立ちは整っているし、背丈はやや低めだが、体も筋肉質で引き締まっていて、同じ男の俺から言わせても格好いいと思う。
不器用なとこもあって口調は悪いが、なんだかんだ言っても仲間想いだ。
それに何より強い。
体術においても、武器を使っても、人並み外れた動きをして賢く立ち回り、相手を翻弄する。
まぁ、そんなリヴァイを地下街の女共が放っておくはずがない訳で・・・
「ちょっとファーラン、あなたの相棒。彼は一緒じゃないの?」
「あたしもリヴァイに会いたかったぁ!」
「ねぇ、リヴァイって恋人いないの?」
「あぁ、それあたしも気になってたの!」
「ねぇ、ねぇ、ファーラン!」
はぁ、・・・うるさい。
「はいはい、今日はリヴァイは別件。だから一緒じゃないよ。それに恋人もいない。どう?これで満足かい?お姉さん方?」
俺は彼女達ににこやかに答えて、その場をあとにした。
所用で一緒にいた2人の仲間は、歩きながらも顔は彼女達の方を向いていた。
「おい、お前ら・・・どこ見てあるってんだよ。」
俺は苦笑しつつ2人に声をかける。
「だってよぉ、ファーラン。あいつらこぞってリヴァイリヴァイって・・・すげぇなって思わねぇか?」
「そうだよな、選びたい放題だよなぁ。」
2人は顔が緩んでいる。
「ははっ。そうかもな。けど、リヴァイはそういうのに興味はなさそうだけどなぁ。」
(というより、誰かさんのことに過保護過ぎて、それどころじゃないって感じだな)
俺は、リヴァイのユナと他の奴等との扱いの差を思うと微笑ましすぎて・・・やばい、笑っちまう。
そんな俺に構うことなく、2人は次の話題にユナを出してきた。
「そういや、ユナも最近大人びてきたよな。ちょっと前までは子供だと思ってたのによ。垢抜けてきたというか・・・かわいいよなぁ。」
「あぁ、なんか体つきも・・・こう、結構出るとこ出ててだな・・・なんとも、つい目がいっちまうんだよな。」
それを聞いて俺は思わず、
「おいおい、だらしない顔しやがって・・・。リヴァイのいるところでそんな話すんじゃねぇぞ?」
と釘を刺した。
リヴァイにやられるぞ、こいつら。