第6章 守る術
あの後、リヴァイはユナを連れて家に帰った。
ユナはさっきの恐怖が忘れられず、体の震えが止まらない。
「どうして俺を待たなかった。」
少しイラついて、リヴァイが言う。
『・・・ごめんなさい。』
謝ると、止まったはずの涙が、また溢れてくる。
『・・・っ。ごめん・・・なさい。』
「はぁ、・・・お前はまだこの辺りのことをよく知らない。1人で出歩いて、何かない保証はない。ケニーもいないって時に。じっとしてらんねぇのか!」
リヴァイは声を荒げるが、ボロボロ泣くユナに歩み寄る。
「まぁ、無事で良かった・・・。」
言い過ぎたとばかりに、ユナの頭を優しく撫でる。
「もう、俺に黙って出掛けるなよ?わかったな。」
思いのほか、優しい口調のリヴァイをユナは顔を上げて見つめる。
『うん。』
頷くと、また優しく頭を撫でられる。
頭を撫でられて安心したユナは、いつの間にか、体の震えも止まっていたのだった。
それからは、外に出る時は必ずリヴァイが一緒に行ってくれた。
ユナが出掛けようと用意をすると、リヴァイはいつの間にかどこからかやって来ていて、待ってくれている。
ユナを見張っているようにも見えるその行動は、心配が故のものなのだろう。
だんだんと、そう思えてきたユナも、リヴァイの優しさに顔がほころぶのだった。