第17章 触れる
(・・・あったかい)
ユナは、ぼんやりとした意識の中、シーツをかき分けて優しいぬくもりに触れる。
(ずっと、このままでいたいなぁ)
『ぅん・・・、』
まどろみの中にいるユナに触れる体温は、心地よく、包み込んでくれる。
『ふふふ・・・・』
幸せな気持ちになって、笑みが浮かぶ。
そして柔らかい何かが、そっと唇に触れた。
何度も、何度も、何度も触れる柔らかさは、唇から頬へ、頬から鼻、まぶた、額と降り注ぐ。
最後に耳にも触れると、ユナは『っぁ・・・、』と小さな声を漏らす。
その後、ゆっくりと意識が浮上する。
『・・・・・・・・・。』
上を見れば、ろうそくに照らされた薄明かるい部屋の天井が。
そして目の前には、リヴァイの胸板が・・・。
『あ・・・れ・・・・?』
(私、寝てた?・・・ここは?)
ユナが目を開けて寝ぼけていると、頭の方から声がした。
「ここは俺の部屋だ。お前は紅茶と菓子を食った後、そのまま眠っちまったんだ。」
『リヴァイ!』
ユナは、気づくとリヴァイの腕の中にいた。
『わぁ・・・っ』
ユナは勢い良く起き上がり、リヴァイの腕から抜け出して、ベッドの端の壁に背中を寄せた。
(び、びっくりした!)
ユナはドキドキする胸をおさえて、顔を赤らめている。
「・・・あからさまに逃げられると、さすがに傷つくな。」
リヴァイは、空になった自分の腕を見て、ため息を吐き、体を起こす。
「昼間、あんなに激しく舌を絡ませといて、今更恥ずかしいだなんて・・・なんだってんだ。」
『は、・・・、か・・・っ!』
(激しく・・・絡ませ・・・っ!)
ユナはとっさに自分の唇を両手で隠す。
「確かに、お前をベッドに寝せて抱き枕にしたのは俺だが、お前こそ、俺の体に手を回して抱きついて俺の理性をぶち壊したんだぜ。」
ギシッ
リヴァイは壁に近づいて、ユナとの距離を縮める。
『あ、あの・・・』
ユナが俯いてモゴモゴと何か言っているうちに、リヴァイはユナの目の前へ。
結局、目の前のリヴァイと背中の壁に挟まれて、ユナは固まってしまった。