第2章 密かな想い
「 増田 、起きて ?」
貴兄のそんな声を境に目が覚めた 。
いたずらのつもりで 、目を覚まさなかったのに …
「 ねぇ 、早く起きないと襲うけど 。」
きっと顔が赤くなってしまっているのだろう 。
でも私たちは 、兄妹 。
早まる気持ちと 、隠せない欲望と 、止められない鼓動を何とか抑える 。
不意に 、貴兄の指が私の額にデコピンをした 。
起きるタイミングを見失っていた私は 、今目が覚めたふりをした 。
「 いったぁ 、」
軽く貴兄を睨む 。
「 何もデコピンして起こすことないのに 。」
「 はいはい 、起きない増田が悪いの 。」
今は 、このままで良いんだ 。
多くは望まない 、妹という形でも貴兄のそばに居られるのならば 。