第1章 再会
#爆豪Side
「あの…爆豪くん!」
俺の名前を呼ぶ声がした。聞き覚えのある声。
声の主を探して見つけたのは麗日だった。
「テメェか、丸顔。」
彼女は一瞬躊躇してそれから此方に駆け寄ってきた。
「久しぶり」と笑いかけてくる彼女はもう丸顔じゃなかった。大人になった、そう実感した。
彼女は俺のことを「相変わらずだね」なんて言った。
きっと褒め言葉なんかじゃない。
そう察した俺は彼女に「丸顔から変わってねぇ」と心にもないことを口にした。
可愛らしい顔つきは昔と変わらねぇな。なんて言えなかった。
なぜ声を掛けたのか問うと懐かしいからと返ってきた。
なんだ。
そう残念に思った自分に腹が立ち「そうかよ」と一言返してその場を立ち去った。