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真夏、昼、屋上、恋人

第1章 1


「なら、もう大丈夫だろ?」
確認に、ん?という顔をする。
寒くないだろ、と聞くと、目がぐるりと周りを見回すように動いた。考え事の時の癖だ。
……考えるような話か?
「そーだなー……」
「うお!?」
ぼそりと喋ったかと思うと、はいきなり俺の肩にもたれかかってきた。
汗で湿った薄手の夏服を挟んでいても、の体温がダイレクトに伝わってくる。
「暑くねぇ?」
「暑い」
「いやいや、じゃあ何でもたれた」
「……違った。暑いけどジャックの体温は気持ちいい」
……こいつ、時々こういう可愛いこと言うからなあ。
の閉じた目の少し上、眉間に寄っていたしわがいつの間にか消えている。
肩に頰をすり寄せる動きが、馴れた猫のようで、こいつが俺を好きだということが触れた部分から伝わってきた。
腰を抱いて、を引き寄せる。
「……ジャック」
少し反り返るような体の曲線が綺麗だ。
の黒い目に引き寄せられるように、俺たちはキスをした。



チャイムが鳴っても座ってサボる気満々のを引きずっていく作業が俺を待っていることに気づくまで、俺たちには珍しい甘い時間を堪能した。
……そのまま気づかなきゃよかったよなあ。

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