第6章 姫巫女と入学式
「ロン、よくやった。えらいぞ」
兄であるパーシー・ウィーズリーが弟を褒める。
最後の生徒はスリザリンへ決まった。
全ての新入生を呼び終えたマクゴナガルが、くるくると巻紙を仕舞い、帽子と椅子を片づける。
その様子を見て、ようやくシオンは肩の力を抜いた。
そうして、アルバス・ダンブルドアが立ち上がる。
腕を大きく上げ、彼はにっこりと微笑んだ。
深みのある声が、新入生を歓迎する。
「おめでとう! ホグワーツの新入生。おめでとう! 歓迎会を始める前に、二言三言、言わせて頂きたい。ではいきますぞ。そーれ!」
――わっしょい! こらしょい! どっこらしょい!
以上、と締めくくり、ダンブルドアは席に着いた。
ホグワーツ校長からのありがたい言葉を頂戴し、教師や生徒から喝采の拍手が送られる。
「あの人……ちょっぴりおかしくない?」
魔法界に馴染みのないハリーが思うのも無理はないだろう。
「えっと……世界一の魔法使いなんだけど……そうだね。少しだけ、変わってるかも。うん、少しだけ……」
グリンデルバルドという闇の魔法使いを打ち破り、ドラゴンの血液の十二種類の利用法の発見、パートナーであるニコラス・フラメルとの錬金術の共同研究など有名だが、それはダンブルドアの偉業の一端でしかない。
二人が視線をテーブルに戻すと、同時に目を見開いた。
目の前にある皿が、料理でいっぱいになっていたのだ。
木々に囲まれた神社では和食ばかりが出ていたため、洋式のマナーが分からない。
ナイフとフォークは分かるのだが、どう使えばいいのだろうか。