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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第6章 姫巫女と入学式


 降りる生徒にもみくちゃにされながら、三人はやっとのことで汽車を下りることができた。

 そこは小さな駅で、外は完全に陽が落ちて暗く、何も見えない。
 夜の冷たい風がシオンの小さな身体を震わせる。

 やがて、オレンジ色のランプが生徒たちを集めるように叫んだ。

 否――叫んだのはランプではなく、ランプを持ったけむくじゃらの大男だ。
 身長は二メートルを超え、腕や足は丸太のように太い。

 彼は見た目に違わぬ太く大きな声で声を張り上げた。

「イッチ年生! イッチ年生はこっちだ! お、ハリー、元気か?」

「あ、ハグリッドだ! ロン、シオン。彼がハグリッドだよ」

 彼はルビウス・ハグリッド。
 ハリーに入学の案内を届け、教材の買い出しを手伝ってくれたという大男だ。

 想像以上の見た目に、シオンは少しだけ怯える。
 だが、ハリーが親しげに駆け寄って話す姿に、すぐに緊張は解れた。

 大男はハリーと軽く再会の挨拶を交わすと、生徒たちを見渡す。

「さぁ、ついて来いよ! 他にイッチ年生はいないな? 足元気をつけろ。いいか! イッチ年生、ついて来い!」

 ハグリッドの持つランプを目印に、新入生たちは歩いた。
 しかし、滑ったり躓いたりとしてしまい、決して楽な道ではない。
 加えて鬱蒼と生い茂る木々のせいで、夜以上に暗く目が利かないのだ。

「うわぁッ⁉︎」

「ロン!」

 ハリーがロンに手を貸す。
 だが、転んでしまったのはロンが初めてではなかった。
 先ほど、シオンたちより少し後ろで、ヒキガエルを探していた少年が転んでいたのだ。
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